2014/11/11

わたしを語る(1)大学生が観光局立ち上げ

セミナーで話をしているところ



「わたしを語る*1」ではわたしが観光マーケティングの仕事に携わることになったきっかけや奮闘の日々について書いていきます。

大学時代に大学からの派遣でアメリカに1年間交換留学(サンディエゴ州立大学)。帰国したのは大学4年の5月ごろ。6月ごろから就職活動を始めたものの、いわゆる就活の時期は終わっていて、ほとんど求人がありませんでした。

仕事が決まらないまま夏も終わってしまい、将来のことが心配で眠れない日々。そんなある日、大学の就職課の掲示板で外国政府観光局の求人票を見つけました。

求人票には「韓国への観光誘致業務」の文字。韓国は中学の修学旅行で訪れた最初の海外だったこと、韓国語はほとんど話せないものの1年間クラスをとっていたので割と身近な外国でした。

もうひとつ、求人票には「男性のみ(!)」の文字がありました。一瞬ひるんだのですが、直感で面白そうな仕事と思い、就職課の人に相談したところ、「そうですね、先方は男性を募集していますが、ひとまず問い合わせをしてみてはどうですか?」と言われました。

早速観光局に電話で問い合わせたところ「今男性の方が面接に来られているので、至急履歴書をFAXで送ってください」とのこと。当時FAX機が家になかったので、あわててコンビニに走って応募しました。

応募して1週間くらいしたころ、無事面接に呼んでもらえました。面接では韓国に行ったことがある話などをしました。面接官は日本語が流暢な韓国の方でした。

アピールせねばと思い「韓国語はほとんど出来ませんが1年間クラスを取りました」と話すと、「いや~いや~、韓国語はねぇ、できなくてもいいんですよー」と言われ、安心しました。(あとになってそうでないことが分かるのですが・・・)

そして1週間後。観光局から「採用したいので明日から勤務できますか?」と電話がありました。まだ大学のゼミなど授業を受けていたので、学校に行きながらアルバイトとして仕事をする生活が始まりました。大学4年の9月末のことです。

出勤一日目、面接官だった方は政府観光局の支社長だったことが分かりました。そして具体的な業務の説明があり「あなたには韓国の自治体Gの日本事務所の立ち上げをしてもらいます」と言われました。

「え!?・・・ということはわたしは政府観光局の職員ではないということですか!?」てっきり政府観光局の職員になると思っていたわたしはかなり驚きました。

わたしが担当することになった自治体Gは、韓国に数回行ったことのある地理好きのわたしでさえも、全く聞いたこともない無名の観光地でした。人口わずか150万人、土地の8割は山、主要産業は農業。日本にもあるような過疎化が進んでいる地域でした。

家に帰って母親に報告すると「その事務所がつぶれちゃったらどうするの?」と少し心配していました。そうだなぁと少し不安になり支社長に相談するも「まだ開所していない事務所がつぶれる話は縁起が悪いから辞めましょう。まぁ、5年くらいは大丈夫でしょう」とのこと・・・。ひぇ~~

というわけで、その日から事務所の工事に立ち合ったり、電話やFAXを引く作業、名刺やレターヘッドのデザインをチェックして発注するいわゆる事務所立ち上げの作業にとりかかりました。

また11月には事務所開設パーティを開きました。行政・マスコミ・旅行業界の方を招待してホテルのバンケットでパーティを開きました。パーティには韓国からも知事やマスコミが訪問団を組んで来日しました。

パーティの前後にはマスコミ記者会見や行政への表敬訪問などを実施しました。この頃はまだ何も分からなかったので、政府観光局の方たちがメインで動いてくださる中、分からないなりに頑張って動いていた気がします。周りの方々のご尽力のおかげで、事務所開設パーティや記者会見を成功裏に終えることができました。

「男性のみ」の求人について問い合わせたとき、問い合わせてくれることを薦めてくださった就職課の方、そして問い合わせに対して誰に相談することもなく「とりあえず応募してみてください」と受け答えてくださった政府観光局の先輩の一言がなければ、わたしはこの仕事に就けていませんでした。このお仕事へのチャンスをくださった先輩にはいつも感謝しています。

ここからたたき上げで無名の観光地Gへの観光誘致を実践していくことになります。


Lesson Learned: 「男性のみ」「無名の観光地」だろうが、興味あればドライすべし!


わたしを語る(2) につづきます♪




*1 「わたしを語る」タイトルは当時お世話になっていたフリーペーパー「Avanti」さんのイベント「わたしを語る」からいただいています。わたしが2008年にお話したときのレポートはこちらです。

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