2014/12/16

LGBTツーリズム

先日の日本版ハフィントンポストの記事より。


c) 日本版ハフィントンポスト

京都の春光院というお寺が同性愛カップルの「象徴的」結婚式を執り行っているという記事。

日本では同姓カップルには異性婚カップルのような法的権利や特権は与えられていないものの、同姓婚の結婚式を執り行うことはできる。

「私は同性婚を専門にしているわけではありません」。住職はハフポストUS版の取材に対してこう述べた。「私はただ、ここで結婚式を挙げたいと願うカップルをどなたでも受け入れているだけです。信条や性的指向は関係ありません」。

春光院は、ホテルグランヴィア京都と提携し、同院で挙式を望むカップル向けに特別な結婚式プランを提供している。
ホテルグランヴィア京都の海外マーケティングディレクター、池内志帆氏はハフポストUS版の取材に対して次のように述べた。
「日本は性的マイノリティに親しみやすい旅行先としては捉えられていません。したがって、お客様に対し、当ホテルが性的マイノリティに親しみやすく、おくつろぎいただけるということを発信していくことが重要だと考えております」

また同院では、以前より英語スピーカーの来訪者に座禅指導を行っている。

c) 日本版ハフィントンポスト


日本では同性愛者の権利について語られることすら少ないのが現実。一方でアメリカ都市部では同性愛向けの観光マーケティング「LGBTツーリズム」のプログラムが当然のように存在する。

2000年のトラベルユニバーシティによると、海外旅行者数の10%はゲイとレズビアンの旅行者だというデータがあります。

アメリカの旅行業界では、LGBTの旅行者が旅先で相当額を落としていくことを認識しており、LGBT向けの観光ポイントを打ちだして、観光客の取り込みに力を入れています。

英語ウィキペディアにもLGBT Tourismについての記載があり、ゲイ向けのバケーションを表す「ゲイケーション(Gaycation)」という新語が存在するほど。

ご参考までにサンディエゴ観光局のLGBT Tourismのページをご紹介しておきます。

わたしのアメリカでの個人的な経験からも、同性愛者はおしゃれに敏感で、新しいもの好き。現代的な「かわいいもの」「便利なもの」や伝統的な魅力の両方を持つ日本の観光は、彼らにウケる要素を十分に備えていると思います。

LGBTの人たちが旅行に求めることのひとつは、安心して旅行できること。LGBTでなくたって、例えば日本人が海外に旅行に行ったときに、旅先で受け入れられていると感じることは重要なポイントです。

マーケティングの観点から、ターゲットごとの魅力を発信していくことが求められるなか、日本でもLGBTツーリズムがニッチマーケットとして注目されていくことが予想されます。