2015/03/06

中国人観光客の動向

日経ビジネスオンラインに中国人観光客の動向に関する
記事がありましたのでご紹介します。

日経ビジネスのデスクによりインタビュー集

日経ビジネスオンライン
「日本人化」する中国人観光客
団体集中型から個人分散型へ変わるインパクト


マスコミ記事は100%鵜呑みしたらダメで
自分の肌感覚で現状を確認すべし、というのが持論です。

とはいえ、こういった記事の情報から
未来を見据えた観光マーケティング策のヒントを得ることはできると思います。

この記事で面白かった点・参考になる点を
わたしの視点からまとめ・コメントを書いてみました。


①観光客数が2013年9月から17ヶ月連続で前月比増の理由

従来の中国人向け団体ツアーの仕組みでは
連れて行く土産物屋などから得るコミッションを主な収益源とし
旅行料金は格安に押さえていたが、トラブルが多く中国国内で問題視された。

結果、2013年10月に中国で施行された「旅遊法」で
コミッションが禁止された。

結果、日本に有利に働いた。
タイや中国国内旅行は旅行料金が跳ね上がった一方、
日本ツアーの場合、旅行料金に占めるコミッションの割合は
大きくなかったのが理由。

また、円安や2020年オリンピック開催、日本側の誘致活動、
リピーターの出現なども、訪日に関心が集まった理由に挙げられている。

②団体旅行からFIT(個人旅行)へ

日本での海外旅行自由化以降の旅行史を振り返ると
忙しく多くを網羅する団体旅行から、1~3都市集中型のじっくり旅、
次第に個人旅行に移り変わり、ニーズもさまざまになっている。

中国でもこの流れがリピートされることは容易に予想がつく。

多様化するニーズのなかから
より人気度の高いものを嗅ぎ取って提供していくことも
これから必要になってくる。

いつも口酸っぱく言うことですが
日本人がいいと思う日本の観光素材ではなく
相手が想う日本のイメージに合うような
興味をそそられる観光素材を提供していくことが必至。

③具体的な人気素材例

アニメ関連:
三鷹の森ジブリ美術館、サンリオピューロランド、
マンガ「ワンピース」を題材にしたクルーズ船、
ドラマ「アタックナンバーワン」のロケ地

日本文化・体験関連:
忍者体験、合羽橋の食品サンプル見学

ショッピング:
日本人がよく行く店を調べて行く(マツキヨ、ビッグカメラなど)

④見込み客が情報を得る場所

中国現地の旅行会社
メッセージアプリのWechat。ソーシャルメディアのWeiboより影響力が出てきた。

⑤ソフト面での課題

旅行中に出会う店の人とのやり取りも
楽しい旅の大事な要素。

言葉が通じないせいで「接客に冷たさを感じる」は
受け入れ側がぜひ注意したい部分。

大事なのは言葉が通じるかどうかではなくて、気持ち。
通じなくとも日本人客相手と同様に日本語で同じノリで接客する大切さ。

仮に日本人がアメリカに旅行して
英語がつたないという理由で冷たくあしらわれたりしたら悲しいのと同じこと。

言葉の通じない外国人とはいえ、人は人。
感情をもって理解し行動することで、質の向上が図れます。

このあたりはわたしが専攻した異文化コミュニケーションや
現在勉強中のダイバーシティマネジメントにつながる部分でもあります。


⑥地方都市の観光誘致策

対中国人に限ったことではないが
ショッピングだけでは大都市東京・大阪に負けてしまうので
それ以外の温泉・自然・歴史・有名ドラマなどで勝負すべき。

⑦ウェブサイトを利用したマーケティングの注意点

中国語サイトを準備しておくことが大事だが
翻訳サイトで翻訳しない。

中国は通信速度が遅いため、デザインバリバリの重たいサイトを作らず
シンプルに情報を伝えること。

⑧中国人観光客数の推移

2014年実績は約241万人。
2015年は300万人、2020年には700万人が見込まれている。

現在リピート率は台湾のほうが勝っているが
今後リピーターが増えれば、中国人観光客はさらに増えていく傾向。


日本観光マーケティング、がんばれ!!



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